原価管理は原価を管理することが目的でなく、利益を確保するための手段です。ところが実行予算を作成し、それを会社が承認してくれれば後は発注と考え、その承認が出ないと「そんなに業者をいじめると仕事をやってくれる業者はいなくなる」とボヤく工事の担当者に出会うことがあります。「俺は会社の言うとおり実行予算を作成しているし、原価管理をしているよ。後は現場だろう、現場のことは任してくれないんだったら、社長が自分で現場をやればいいんだ。会社は現場の苦労を知ろうとしないんだ。」「そのようなあなたの考え方は間違っている。現場の苦労とはなんだ。」「工事は現場でしているんだ。工事はデスクでやっているのではないよ。業者職人に仕事をしてもらって初めて建物ができ上がるんだ。工事は現場でやるんだ」「確かに工事は現場でやるものだ。あなたの言うとおりだ。しかし工事管理はデスクでするものだよ。実行予算はこの現場はいくらでできるのかを計算し、会社の運営経費を確保するためには、施工方法をどうするか、営業に頼んで材料の変更を施主に頼むかどうか、もっと安く材料を買う方法はないか、安く発注できる業者が他にいないか等を考えるための検討資料なんだよ、それが原価管理なんだ。」「俺は現場で手がいっぱいだよ、他に安い業者なんて言われても探している暇なんてないよ。」「うるさい。泣くな。君は現場で何をしているんだ。何で手がいっぱいなんだ。」「ちっとも判っていないんだね、職人なんて口だけの人間を信用しないんだよ、一緒に体を動かさないとこっちを判ってもらえないものなんだよ、だから傍にいて材料を持ってやったり、場合によっては材料を買いに行ってやったり、時には話し相手になってやったりと、結構大変なんだよ。」
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