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狭くて劣悪な住宅を語るタブー

2011.12.09

最近、こんなことがありました。高齢者の方の多い、住宅事情にはそうめぐまれていない方の多い、健康問題を考える集会に講師として行くことになり、打ち合わせをした折のことです。私は、日本の住宅政策がいかに人権を尊重していないものであるかという例として、公的な「住宅の定義」の話をしました。総務庁統計局が五年に一度行う「住宅統計調査」における住宅の定義に従うと、共同便所、共同炊事場、共同出入口の三畳一間でも一軒の住宅と数えられることを。

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打ち合わせに来られた方は、顔を曇らせて大層困った様子です。私はその理由がすぐに分かりました。今までに幾度となくこういう体験をしているからです。私が話したことは、私見を交えぬ事実の説明だけです。でも、そのことが相手の方を困惑させているのです。俗に「寝た子を起こす」という言い方がありますが、この場合もそれに近いことが集会参加者に起こるのではないかという不安を感じられたのです。集会に参加された方々が、自分たちの住宅事情の劣悪さに気づいたとしたら、惨めな気分になるのではないかということです。打ち合わせに来られた方は、とても慎重に言葉を選びながら、高齢者の方々が今さら住宅運動を始めることもできないのだから、狭くて劣悪な住宅そのものには触れないで、健康で快適な住み方の話をしてもらえないだろうかという要望を述べられました。